読んだ本「コンビニ人間」
2年前に母から借りたコンビニ人間をようやく読みました。
実家の近所にコンビニが出来たので、買い物ついでに文庫本を購入して両親で読んでるそうです。
感想はコンビニの音や人の動きが細かく描かれていて、人の仕草などを吸収して自分のものにして社会の歯車としてコンビニで働く恵子に親近感と彼女の力強さに感動しました。
久々に気持ちの良い読了でした。
10代の頃は三島由紀夫やそれより前の純文学や90年代の恋愛小説(山本文緒、小池真理子、姫野カオルコなど)に桐野夏生などを読んでいましたが、社会人になると漫画を読む時間もなかなか取れず小説とは離れて生活していたので楽しかったです。
小説は日常の動作を文字にして話が進むので何気ない毎日の見方が少しだけ変わるのが好きで。
コンビニ人間の冒頭でコンビニの音やガラス窓の外の人達の描写が好きなのは、桐野夏生先生の「グロテスク」の和恵の日記が好きだったからではと思いました。
和恵の日記は桐野先生が実際の被害者(東電OL殺人事件)の情報を自然に至る所に散りばめていて、事件のルポタージュを読んでいるような気分になっていました。
東電OL殺人事件のルポにおでんの事などが書いてあって、ああそう言えば和恵の日記にもそんな事が…と、情報を物語に変えられる力に圧倒されました。
まだ1冊か借りたままの本があるので近いうちに読んで返しにいこうと思います。
やっぱり読書は楽しいですね。